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バタバタと古民家のトタンを雨が叩く音に包まれ、屋根からの雨垂れは、一瞬で樋を溢れさせ、滝のようになっている。
「すごい雨ですね・・・」
外の景色を振り向いて眺めながら、響が航に言った。
「・・・また、晴れますよ」
アイスコーヒーをストローで飲みながら、ふと航は言った。
何気なく言った航の言葉に、響はハッとした表情を覗かせて、そして微笑んだ。
「ちょっと、あんたたち、よろしくやってんじゃん」
新たな客の給仕も済んで、戻って来た美代が言った。
これが、航の響との出会いだった。
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