雨宿り

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 南東の温められた海で、聳えるように発達した積乱雲は、ゴロゴロと雷を伴っていた。  真っ直ぐ行くと海岸線に並行して敷設された道路にぶつかる、割と新しい道沿いに、その道ができる前から建っていた古民家を改装して、レトロモダンな感じに仕上げられたカフェ「Blue」がある。  遠くで雷の音を聞いた青山航は、念のため傘を持ってそのカフェ「Blue」に出かけた。 「いらっしゃ〜い」  アンティークな「Blue」のドアを引き開けると、姉の店を手伝う美代が、歓迎してるようには聞こえない怠惰な言い方で、そう言った。 「アイスコーヒー」  カウンターに座るなり、めげずに航は注文した。  しかし、美代はすぐには水とおしぼりも出さず、注文のアイスコーヒーを作ろうともしない。
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