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気持ちのいい恋煩いではない
メッセージのやりとりが終わっても俺はしばらくボーッとしていた。
心どころか体全体がフワフワして何かをする気になれなかった。
こんな話の成り行きを期待していたのか。心をイガイガが転がったあの時に。
最近は仕事が楽しくて、恋愛をする気は全くなかったのだが、深層心理で恋愛を求めていたのか?
志尊さんを好きでいたのか?
正直、気持ちのいい恋煩いではなかった。
いや、そもそもこの気持ちは恋煩いだろうか。
ただ、おりいって相談話をしたいだけかもしれない。近しい人には話しにくい相談を。
だから、あんまり交流のない俺なんかが相談相手にうってつけだったのかもしれない。
だから、二人で会うのだと。
うんうんと力強く何度か頷いてみた。
頷くたびに虚しさを感じた。
俺はいったい何の欲望を抑えようとしているのか。
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