閉じられた日記

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閉じられた日記

 母の遺品で、側面を糸で縫い付けられている日記帳が見つかった。  あまりに気になり糸を切って中身を見てみると、懐かしい母の文字で日々のことが綴られていた。  だが、時が進むにつれ、どんどん日記の内容がおかしくなっていく。  私はあまりの衝撃で震えた。 「我が暗黒の魔手で、今日も者共の空腹を満たした」 「強者どもが集まる略奪の日、我は見事に純白の楕円を手に入れた」 「我が倅の連戦の跡を白魔法で消す」  母は遅い厨二病だったようだ。

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