27.落ち着かない時間

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「なにそれ、大丈夫なの?」  琴の表情もさすがに硬くなる。 「私にはわかりません……」  虎将の強さは目の当たりにしたし、東雲の俊敏さも見た。  でもあれだけの人数を相手に、拳銃まで持っていたらどうなるかわからない。  しかも、虎将は義父に刺されて負傷している。虎将はすごく苦しそうだった。刺されたとなればあのまま命を絶つことも考えられる。  想像してしまい、春子は寒気がした。自分の身体を抱きしめる。 「だ、大丈夫よ! お兄ちゃん強いし、虎ちゃんだって!」 「……はい」  琴は年下なのに励まされている自分が情けない。  彼女も兄が危険な状態なのだ。春子を励ましている余裕などないはず。  お願い。無事でいて、と両手をぎゅっと握った。  祈ることしかできない自分が歯がゆかった。
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