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相原が連れていかれると虎将は身体が一気に重くなり、地面に崩れ落ちる。
「……っ……」
身体中に痛みが走り、動くことができない。
「虎将!」
走り寄ってきた東雲が虎将の身体を抱き起こす。
「……大丈夫、だ」
地面に仰向けに転がる。疲労感や痛みが全身を蝕んでいた。
「虎将、悪かった。はやく車に乗って医者に行こう」
「……いい。それより帰らないと」
「どこにだ?」
虎将は目を閉じた。
はやく行かないといけないのに、身体が動かない。それでも必死に唇だけ動かした。
「春子の元へ……」
虎将は糸が切れたように、意識を失った。
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