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「……ヘンな目で見ないでよね」
「面白いこと言うなぁ、雅貴は。僕がまいさん以外の女性に興味がないの、知ってるくせに」
「一般論で社交辞令のつもりかもしれないけど、なんかムカついた」
「ふふ、独占したいってことか」
父さん得意のフフ笑いがやっぱりムカつく。オレと父さんの会話に、乗り遅れたといわんばかりに母さんが口をはさんでくる。
「ねっ、『シャル・エト』とかって聞こえたけど。バイト先の子ってこと?」
「そうだよ。……母さんの後輩だね」
「あはは、懐かし〜。いま、売り場とかも変わってるでしょう? 私ん時はソフトクリームやってなかったし」
私にも見せてよ、と、母さんが横からスマホを取り上げる。
「あ、ホントだ。可愛いじゃない。ちょっと多香ちゃんに似てるかも」
「ああ、多香子さん。海外住みだっけ? たまに日本に帰って来てるのかな?」
「んー、最後に会ったの、6年前くらい」
と、父さんと母さんが二人にしか解らない会話をし始めたところで、オレは言った。
「そういうわけだから。二人とも、叶絵さん困らせないでよね?」
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