Night ZERO
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ハッとしたように、あわてて陳列棚に戻す彼に、私はちょっと笑った。 「見本で使ったヤツ、賞味期限来てるから下げちゃうし。良かったら、缶だけでもいる?」 「……いいんですか」 「いいよー。皆な、何かしら下げた物もらってるし。クマとかネコとかさ」 「ありがとう、ございます。……本郷さん」 かすかに分かるくらいの、微笑み。ちらりと向けられた、眼差しの甘いこと。 ──その瞬間、馬鹿みたいに、恋に落ちていた。
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