Night ONE

4/4
前へ
/40ページ
次へ
「いえ、本郷さんが平気なら構いません」 ホントは平気じゃないんだよ~。学生時代も回し飲みとか駄目だった人間だし。 ただ、好きな人なら気にならないってだけ。だってさ、好きな相手とならいろいろするでしょ? ──って。 言いたいけど言えないー! 言ったら余計に気持ち悪がられるー! 「……ああ、えーと。もったいないから、コレ私このまま飲んじゃうね。コーヒー代あとで渡すね」 「オレが勝手にしたことなので結構です」 愛想笑いを浮かべて取り繕った言葉は、抑揚なく、ぴしゃりと返されて。 私はなんだか、悲しい気持ちになった。 ……いつもと同じ口調のはずなのに。なんでだろ。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加