7-3

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「なるほど、北島さんの言い分はわかりました。商品に偽りあり。その内容を隠してやるから見返りを寄こせと言う事ですね」 「いかにも。さあどうなさいますか?」 「どうもしませんよ」 「……どうもしないとは?私の事を疑ってるのですね?これは正式に鑑定をうけたものです」 「へえ。でも、コレうちの商品じゃね~んだわ」  倉沢の口調が変わる。顎をあげ北島をねめつける表情にぞくっとした。綺麗な横顔に氷のような瞳。まるで女王様みたいだ。 「な!何を馬鹿な!ここに貴社の社名が載ってるではないか」  倉沢は商品を手に取ると社名を爪でゴシゴシと擦る。するとその下からウチの社名とよく似た別の名称が浮かび上がってきた。 「ど、どういうことだ?」 「ダミーでしょうね。うちの商品は海外でも人気が出てきてまして、こういうコピー商品や名をかたる商品が最近多いのですよ」 「……そ、そんな」 「あんたさ、私利私欲にまみれた職権乱用じゃねえのか? こちらは名誉棄損で訴えてもいいんだぜ?」 「ばかばかしい。私は何も……」 「おいおい、化けの皮が剥がれたんじゃねえのか?あんた弁護士資格はく奪されるよ?ちょうどこの部屋には防犯のためカメラが設置されてるしね。先ほどのは全部録音済だよ」 「な、なにをっ」 「俺さ、知り合いが刑事でね」  倉沢のその一言で北島の顔が蒼白になる。 「失敬な!貴社は客に対する態度がおかしい。私は帰らせてもらうぞ」  北島が慌てて席をたち、ドアから飛び出していった。 「はいご苦労様。皆ありがとうね」  倉沢がにっこりと女子社員たちにほほ笑んだ。今の顔佐々木さんと似てる。それに録画って?この部屋カメラがあったのか? 「倉沢は知ってたのか?」  あいつが脅しに来ることを。それも詐欺まがいな手口で。 「なんとなくな。でも今日来るとは思っていなかったさ」 「なんで教えてくれなかったんだ?」 「安住はすぐ顔に出るからな。それになんとなくだ。確信ではなかった」 「じゃあ、佐々木さんらは?」 「連絡をくれたのは彼女だ。安住に来客がきた。北島ではないかってさ。俺はすぐに帰ると告げると時間稼ぎいたしますと言ってくれた。ふはは。頼もしいぜ。俺の部署の女性社員はデキル人材だらけだ。ありがたい」  そういえば早瀬が僕たちの親衛隊がいるって言ってたな。僕らをみるのが日々の癒しになるとかなんとか。 「北島を探ってたら詐欺まがいなことをしてるって噂が耳に入ってさ。近いうちにここに来るだろうって思ってたんだ」 「今回の事で気づいたんだけど俺ってさ。どうやら嫉妬深いみたい」 「……へ?」
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