あいつはツンデレ

バンド活動

俺は、高校の時の一件以来、女の子と少し距離を置くようになった。
当分恋愛する気にはなれなかったし、女という生き物に対して、冷めた目で見るようになってしまっていた。

付き合いの世界なので、先輩やスタッフさんたちから飲みに誘われることはよくある。
お酒は嫌いじゃない。
だけど、女の子がいる飲み会は酒の量をわきまえた。
酔って、しでかしてしまわないようにだ。

逆に、酔った女の子にすり寄ってこられる時もある。
女の子が嫌いとか憎いというわけではないが、深い仲になるには慎重になった。

自分から女の子に声をかけることはなかったのだが、女の子の方から二人きりで食事に誘われた時は、今は誰かと交際する気はないということを、全面的に押し出すようにした。
もちろんそこで引いていく人もいる。

しかし、それをわかったうえで、大人の関係を望んでくる人もいた。
性欲がないわけではないので、それならばと誘いにのることもあったが、避妊具は必須で、女の「大丈夫」は信用しないことにした。

一晩だけの体の関係とか、我ながら最低だな、と思うこともあった。

いくらまわりに綺麗に着飾った女が居ても、心は動かされなかった。