学生時代

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高校三年生の時、部活の成績が優秀だった俺は、空手の強豪大学の推薦入試を受けることになった。 顧問が尽力してくれ、試験を受けさえすれば、合格確定だった。 その入試の日の朝、つい最近まで付き合ってた彼女を駅で見かけた。 俺を見つけるなり彼女が駆け寄ってきた。 どうやら俺を待ち伏せしていたよう。 「リョウくん!話があるの!」 切羽詰まったような顔で言われる。 彼女とは二週間前に別れている。 彼女の方から別れを切り出してきたのに、今更何の話があるというのか。 それに、俺はこれから試験を受けに行かなければならない。 「悪いけど、俺今から入試なんだよ。帰ってきてからでいい?」 そう言って先を急ごうとした。 が、彼女に腕を掴まれ、泣きそうな顔で言われる。 「あっ、赤ちゃんがっ、できたみたいなの!」 アカチャンガデキタ?? … は?! 赤ちゃんができた?! すぐには理解できなかった。 彼女の一言でその場を立ち去ることができなくなり、呆然と立ち尽くす。 泣きそうだった彼女は、ついに泣き出してしまった。 泣いている女子高生と、それをただ眺めているだけの男子高生に、好奇の目を向けながら通り過ぎる人々。 ここは駅前だ。人目があり過ぎる。 とりあえず人目につかないところに移動しよう。 彼女を連れて近くの公園に行き、ベンチに座って彼女を落ち着かそうと背中をさする。 そうしながら考えていた。 赤ちゃん? ホントに?? え、俺の子? 毎回避妊はしてたのに。 あ…。 思い当たる日がある。 別れる一週間前のことだ。 予定外で彼女と会うことになり、家に誘われた。 自然とそういう雰囲気になってしまったが、盛り上がっているさ中にコンドームがないことに気づいた。さすがにゴムなしはまずいと思いやめようとしたが、彼女に「大丈夫だから」と言われ、そのまま続けてしまった。さすがに外に出したが、やはり生の挿入はまずかったのだ。 何が「大丈夫」だよ! デキちゃってんじゃねーか! 後悔先に立たず。
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