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でも待てよ。
もし、産むという選択をした場合はどうする?
責任取って結婚する?
俺フラれてるけど。
そうだよ。
別れた俺との間にできた子どもを産みたいと思うだろうか。
彼女はどうしたいんだろう。
こうなってしまったからには彼女のしたいようにさせてあげよう。
「ユイはどうしたいの?」
「どうしたい、て…」
「だって、俺たち別れてるんだよな?そんな俺との間にできた赤ちゃん、産みたいと思ってる?」
「そんなのっ……わかんない。リョウくんはどうなの?」
「わかんないって…。ユイから別れを切り出してきたんだろ?俺はどっちでもいいから、ユイのしたいようにすればいいよ」
「何それ…。どっちでもいいって何?!他人事みたい。どうでもいいみたいに言わないでよ!!どうすればいいかわかんないからリョウくんに相談してんのに!!」
取り乱しはじめた彼女。
どっちでもいいのであって、どうでもいいなんて言ってない。
だって、堕ろすにしても、出産するにしても、彼女の体に負担がかかるわけだから、彼女の気持ちを優先させた方がいいじゃないか。
泣きじゃくりながら彼女が言う。
「ひっ…リョ、リョウくんは、堕ろして欲しいよね?…だって、まだ高校生だもん!…おろ…堕ろすにしても、怖いよ!!赤ちゃん、殺すんだよね?!…でも、…産むのも怖い。…もう!どうしたらいいのかわかんないよ!!」
怖い?
そうか、怖いよな。
堕ろすって簡単に考えてたけど、人工中絶って赤ちゃんを殺すってことだもんな。せっかく芽生えた命を…。
そう考えると、少しゾッとした。
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