3人が本棚に入れています
本棚に追加
大会二日目。オレたちは立ちはだかる敵を次々と倒している。弱いオレが囮で、強いリザードマンが仕留めるという戦法だ。
「少し休憩をしようか」
「あぁ」
リザードマンは路地裏へと消えてしまった。するとすぐに辺りに煙が立ち込めた。リザードマンは喫煙者なので、彼が「休憩しよう」と言った時はタバコタイムなのだ。どうして会って二日目なのに知っているのかって?今までその休憩は五回もあったからだ。つまりタバコ依存症。ヘビースモーカー。救いようがない。
ライターは無いようだが、彼は腐ってもリザードマン。自分の炎で火をつけている。
「ふぅ……」
「ゔっ」
彼が戻ってきた。ものすごい煙とにおいがオレを襲う。
オレはまだ未成年だぞ。タバコなんて……。もっとも、大人になっても吸う気はないのだが。彼はオレにタバコを差し出し、こう言った。
「お前もいるか?」
「いるわけないだろ」
「つれないなぁ」
何を考えているんだ、こいつは。
彼は自分の炎で火をつけたタバコは格別だと言っている。それでもオレは絶対に吸わないと言い、断った。
最初のコメントを投稿しよう!