ラグナロク

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 大会二日目。オレたちは立ちはだかる敵を次々と倒している。弱いオレが囮で、強いリザードマンが仕留めるという戦法だ。 「少し休憩をしようか」 「あぁ」  リザードマンは路地裏へと消えてしまった。するとすぐに辺りに煙が立ち込めた。リザードマンは喫煙者なので、彼が「休憩しよう」と言った時はタバコタイムなのだ。どうして会って二日目なのに知っているのかって?今までその休憩は五回もあったからだ。つまりタバコ依存症。ヘビースモーカー。救いようがない。  ライターは無いようだが、彼は腐ってもリザードマン。自分の炎で火をつけている。 「ふぅ……」 「ゔっ」  彼が戻ってきた。ものすごい煙とにおいがオレを襲う。  オレはまだ未成年だぞ。タバコなんて……。もっとも、大人になっても吸う気はないのだが。彼はオレにタバコを差し出し、こう言った。 「お前もいるか?」 「いるわけないだろ」 「つれないなぁ」  何を考えているんだ、こいつは。  彼は自分の炎で火をつけたタバコは格別だと言っている。それでもオレは絶対に吸わないと言い、断った。
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