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この大会は全部で四日間行われる。
今日は三日目。街はもう瓦礫だらけ。もちろん生物の姿はほぼ見かけなくなってしまった。
「オレたち、明日まで生き残って優勝するかもしれないな!」
オレは戦闘音が少なくなった街を見て安心し、少しテンションが上がった。
「そうだな」
「そろそろ休憩しようよ」
「お前も吸う気になったのか?」
「いらないって言ってるだろ」
こいつ、どうあってもタバコを吸わせたいみたいだな……。次言ってきたらタバコを箱ごと叩き斬ってやる。白とオレンジのところを分裂させてやる。
……しばらく歩いていると、ルマイの姿が見えた。今日はカフェにいるようだ。オレはリザードマンに説明し、少しだけ彼女の元に行くことにした。
戦いによってテラスは破壊されているようだが、中は無事のようだ。ルマイは中で怯えていた。話しかけると震え声だったが反応してくれた。
「ルマイ」
「レイン!まだ生きてたのね……よかった!」
ルマイは涙目で返事をした。かわいそうに、体は震え、擦り傷もある。悪魔は治癒魔法が苦手なので、治してやれないのが悔やまれる。
「まだ生きてたって……チームを組んだからな。そいつのおかげなんだ。お前も生きててよかった……」
「ごめんなさい、まさかこんな大会とは思わなかったの……。あちこち燃えてて、みんな叫んで……怖いわ……」
「大丈夫。お前を死なせない」
オレはルマイの手を握る。これで少しは心を落ち着かせることができればいいのだけど。
「……あなた、前から思ってたけど……変わってるわね」
「?」
「悪魔って人を襲うものでしょ?なのにあなたは人間の私を守るって言った。どうして?魂でも奪うつもり?」
「……そういう悪魔もいるんだぜ」
それだけ言い、オレは向こうのエリアに行くと言っていたリザードマンの元に向かった。
「………………おーい!どこだー?どこに行ったんだー!?」
叫んで叫んで叫びまくっても、リザードマンの姿が見当たらない。
「……あれは……!?」
十数分ほど探していると──遠くの方の空が焼けた!!
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