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つぎつぎと心配そうに質問してくる彼ら。
心なしか、周りを飛び回っている妖精達も心配そうな顔をしているような気がした。
「全然なんともない!
……父さん、離してくれない????」
そう言って、大号泣のリフレアスの腕の中から抜け出す。
あまりにもいつも通りの態度の俺に、エルフたちはやっと問題ないと認識したようで、麗しい微笑みを浮かべながらぽつりぽつりと解散し始めた。
ふと、俺を取り囲んでいた面々の中に王がいないことが気になった。
…森の皆が心配してくれているような状況で、王が俺のそばにいないことはないだろう。…と思うくらいには、王が俺を可愛がってくれている自覚はあるし、自惚れてもいる。
「息子が冷たい…」と嘆き、さっきとはべつの意味でまた涙を流し、年甲斐もなくいじけ始めたリフレアスに、「シェーンヴァルト様は?」と尋ねる。
ーーー続いた、言葉に
「人間の国から、取り急ぎ来てほしいだとかなんだとかで頼みこまれてのぉ。
『聖女召喚』…?だったか??」
ーーー俺は、物語の始まりを悟った。
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