0 夜の訪れ

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0 夜の訪れ

 あの瞬間を、忘れたくても、忘れることはできない。  心が痛い。苦しい。声なき声で悲鳴を上げる。ずっと、上げ続ける。  でも、俺はその声を無視する。自分の悲鳴なんか、どうでもいい。  痛いなら、苦しいなら、ずっとそのままでいい。  だって、ーーの、痛みは、こんなものじゃないから。  ーーは、もっと、もっと、苦しかった。こんなもの、比べものにならない。  もっと、もっと、俺は、痛みを知らないといけない。    もっと、もっと……ーー。
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