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実際、A子の言う通り、心臓の鼓動が信じられない程に速まり、全身がガクガクと痙攣しました。
錯乱した状態の中、私は思いました。
ああ、そういうことだったのか。
自殺したミムラという男が私が振った男だとしたら、
A子は、ミムラに想いを寄せていた女だったのだ。
A子は自分の愛した男が自殺したのは、私のせいだと思っている。
その通りかもしれない。けれど、そんなことまで私は責任を持てないし、彼の自殺はそれが原因だとは限らない。私を恨むのはお門違いというものです。
ですが、A子は恨む標的を私に据えたのです。
理不尽な理由ですが、そう思い込むと暴走するのがA子の性格なのでしょう。
そう結論付けた時、
ギイッ・・
ドアの軋む音がしました。
音の方に目をやると、半開き状態だったはずのドアが少しづつこちら側に回転するように向かってきました。
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