共有の瞬間、心の交流

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共有の瞬間、心の交流

  いつもの朝、     いつもよく見てるバラエティ番組   彼女はスマホを見ていた。   今日は遅めの出勤。   少し時間があった。   自由な時間。      何をしていいはずなのに、       スマホを触って何かをしてる彼女に   話しかける。   一緒に見てる番組内容の説明。   一緒に説明しなくても見てるんだから     言わなくてもいいかなと思った。   でも、時々、彼女は聞いてくる。 「え、今なんて言ってた?」  テレビの内容を確認することがよくある。  テレビがついてるのに見ていない。  俺に聞いてくる。  ずっと見ていた俺は、必死で説明するが、    あまり興味がなさそうな雰囲気だった。  目と仕草でわかる。  それでも、俺はスマホをいじらずに    テレビを見続けて、彼女と共有できる     番組の部分的な要素を探す。  何度か繰り返し説明するが、    笑ってる時もあった。 「いってきます。」 「うん。いってらっしゃい。」  彼は遅番勤務で出発した。 ※※※  私はテレビを中途半端に見て、     ずっとスマホを見ていた。  いつも、ゲームばかりする彼は    その時だけはスマホ画面じゃなく  テレビを見ていた。  話しかけると必死で見てなかったところを  説明してくれていた。  ふと、いなくなって思い出す。  私は、スマホをずっといじってた。  共有する時間あったのに、    何だか申し訳なく感じた。  心が震えて涙が出た。  明日は、スマホを閉じて、  一緒に同じテレビ見ようかな…。  【 完 】  
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