君の声が透明になった。

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「来年も一緒に、海に行きたいな」  朝顔が咲く季節に聞いた君の声を、綺麗だと思った。 「来年の約束なんて、早すぎかな……?」  彼女の声が綺麗なのは、俺が彼女に惚れこんでいるってことにした。 「夏の海なんて、最高の幸福だと思うよ」  そう素直な気持ちを零したとき、彼女はなんて言葉を返してくれたのか。  自分の鈍い記憶力では思い出せないのが、今では辛い。
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