やる気がイマイチな受験生へ

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 さて、この話には顛末がある。  受験に落ちた、事情を全く知らぬ矢田部は、腹いせに自分の恐怖体験をラジオ番組に投稿してみた。すると採用され、ハガキが読まれた。  知名度の大きな番組であったため、巷では「殺人鬼のでる公衆便所」として話題を呼んだ。  おかげでもともと集客の少なかった神社にはマイナスイメージが付与され、もっと人通りが途絶えて、怪談好きのマニアしか足を運ばない過疎地となった。  その後、丹前神社はホラーマニアの動画配信者たちにとっての、人目を忍んで集まる格好のオフライン会合でのスポットとなり、公衆便所のそばの柳の木の下にみなが肴を持ち寄り、ゴザを敷いてわいわいと酒盛りをはじめ、普段の動画配信における苦労話やストレス発散をする場になったとかどうとか。 おしまい。
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