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「さあ、早苗ちゃん。ここに入って」
連れて行かれた先は、銀色の部屋。壁も天井も金属で覆われていたけれど、普通の病室みたいに窓はあったし、まだ外では雪が降っているのも確認できた。
部屋の真ん中に設置されているのは、雪のように真っ白なベッド。箱みたいな形状で、蓋らしきものも付属している。
色や材質は違うけれど、おじいちゃんのお葬式で見た棺桶を思い出して、いっそう気が重くなった。
看護師のお姉さんや三人の家族が見守る中、私はその棺桶ベッドに入っていく。
「早苗……」
蓋が閉じられる直前、私の名前を口にしたお父さんに、私は笑顔を返した。
「病気、治すためだからね。大丈夫だよ。みんなも元気でね!」
本当は全然「大丈夫」ではなかったけれど、最後は笑っていたかったのだ。これが今生の別れなのは、きちんと理解できていたのだから。
そして……。
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