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澄み切ったスカイブルー
初体験をした翌日の朝。恋は筑間の腕の中で目を覚ます。優しく守るように恋を包み、安心し切った顔で眠っている筑間。緊張もなくなり、恋自身も筑間に抱き締められる事を喜びに感じ安心出来るようになっていた。
(ふふっ……寝顔…可愛い…)
起きている時はキリッとイケメンの筑間。だが寝ている時の筑間は、無防備で子供のような寝顔をしている。そんな筑間に恋はすり寄り、さらに密着して筑間の胸に顔を埋めた。
すると恋を包んでいた筑間の腕が締まり、恋を抱き寄せる。
「碧…?」
小さな声で筑間を呼ぶと、恋の頭頂部にキスをして筑間が答えた。
「おはよ、恋」
恋は顔を上げて微笑んで言う。
「おはよ、碧。ごめん、起こしちゃったね」
「ふふっ、ううん、いいよ」
「じゃ、私は朝食作るね。碧はまだ寝てていいよ」
恋はそう言って、起き上がろうと筑間の腕から離れようとした。だが筑間は腕を離さない。
「朝食は俺が作るよ」
「えっ、いいの?」
「ん? いいよ。元々そのつもりで材料持って来たし。キッチン貸して」
「うん、それはいいけど……ありがと」
「ふふっ……恋…」
筑間が微笑んで体を起こし、恋を下にして覆い被さりキスをする。
「もう少し、このままイチャイチャしたい」
そう言いながら、筑間は恋の頬や耳に口づけ、首筋に唇を這わせた。
「二回目する?」
唇を肌に触れさせたまま筑間が尋ねる。少しくすぐったいがそれよりも恋は『二回目』が気になり、筑間の顔を見つめた。
「ん? 嫌?」
恋は首を横に振る。
「まだ痛い?」
「ううん…」
「また今度にするか…」
「二回目からは痛くないのかな?」
「あぁ…まぁ、一番初めよりは痛くないって聞くけど、まだ数回は痛いって言う人もいれば、二回目からは平気って言う人もいるみたいだけど…」
「そっか……」
「ふふっ、焦らなくてもいっか。これからゆっくり進んでいこうな」
「うんっ」
筑間は恋の額にキスをして起き上がる。
「じゃ、顔洗って、朝食作るかな。恋はゆっくりしてていいよ」
「うん。でも、私も起きる」
2人はベッドから下り寝室を出て、洗面台に向かった。鏡の前に並んで歯を磨き、順番に顔を洗ってリビングに戻る。
筑間はキッチンに入って朝食を作り始め、恋はリビングからベランダに出る窓のカーテンを開けた。眩しい太陽の光が部屋に降り注ぎ、恋は空を見上げる。
雲一つない晴天の青空。今の恋の心を表すように、澄み切ったスカイブルーが目の前に広がっていた。
初めての恋。初恋の相手である筑間との初体験。少女から大人の女性へ成長する大きな一歩を踏み出した恋。蛹から蝶になり空へ羽ばたくように、恋の心の中は澄み切ったスカイブルーに染まっていた。
「恋…?」
「ん…?」
筑間に呼ばれ振り返った恋。筑間はしばらく恋を見つめたまま動かず、2人は見つめ合っていた。
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