覚悟のレッド

18/21
1589人が本棚に入れています
本棚に追加
/185ページ
筑間はローテーブルにあったテレビのリモコンでテレビを消すと、恋の背中と両脚の膝の裏に腕を回し言った。 「恋、俺につかまって」 「うん…」 恋が筑間の首に腕を回し、密着するように筑間に掴まる。すると筑間はゆっくりとソファーから立ち上がり、恋を抱き上げた。 (うわぁ……お姫様抱っこで…ベッドに行くの…?) 筑間の首に掴まったまま、恋は筑間の横顔を見つめる。まだ寝室には案内していなかったが、筑間は分かっているようで隣の部屋のドアを開け、壁のスイッチで寝室の照明を点けると、リビングの照明を消しドアを閉めた。 部屋の左奥の壁に沿ってシングルベッドがあり、入口から右側にクローゼット、リビングと隣り合わせの壁には低い本棚。ベッドはヘッド部分に照明と棚があり、目覚まし時計や携帯の充電器などを置いていた。 筑間は恋をゆっくりベッドへ下ろして寝かせ、そのままベッドの上に乗り恋を組み敷く。 「恋…」 「碧…」 筑間の唇が恋の唇に重なり、ドキドキ鼓動を速める恋。その鼓動が、筑間に伝わってしまいそうだが深くなるキスに溶かされ、気にする余裕などすぐになくなった。 舌を絡ませながら、筑間の右手が恋の体をなぞる。頬を包み耳をかすめて首へ流れ、首筋を通って肩へ下りていく。肩を撫でると脇へ入り、筑間の長い指が脇腹を少し這って胸の膨らみを下から覆い、胸の形を(ゆが)ませた。 ゆっくり優しく指を動かして胸に愛撫をし、筑間は耳に舌を這わせる。舌で耳の輪郭(りんかく)をなぞり、耳(たぶ)を唇で挟んで甘噛みすると、唇は首筋へ移り(ついば)むように口づけ、唇を這わせる。 胸にあった手はスルスルと下におり、部屋着の裾を捲りキャミソールも同時に捲って恋の肌に直接触れた。一度感じた、少し硬い手のひら。ゴツゴツして長い指。その手が腰から脇腹を撫で上げ、恋のブラへ到達する。 「ん? 下着?」 筑間が顔を上げて尋ねる。恋はドキドキしながら目を瞑っていたが、瞼を開け筑間を見つめて頷いた。天井の照明が眩しく、目を細める恋。 「あ、電気消す? ヘッドボードに照明あるみたいだし、そっちにしようか…」 「うん…」 筑間は一旦、恋から離れ、ベッドから下りて天井の照明を消した。恋も起き上がりヘッドボードの照明を点け、枕元だけ光が灯り、部屋の中は薄暗くなった。筑間が恋の元に戻って来て、恋を座らせ微笑んで言う。 「見せて。恋の下着姿……見たい」 「うん…」 恋は緊張しながら部屋着を脱ぎ、ベッドの下に置いていく。キャミソールも脱ぎ下へ置くと、ブラとショーツ姿で恋は筑間と向かい合った。小さな照明を背に薄暗い部屋の中、筑間に見つめられ恥ずかしくなってうつむく恋。 うつむいた恋の顔を覗き込むようにして、筑間がキスをして囁く。 「綺麗だな……恋…」 筑間は片手で恋を押し倒し、もう片方の手で部屋着のTシャツを脱ぎ捨てる。恋が見上げる先に、筑間のほどよく鍛えられた胸や腕が現れ、恋は目を奪われた。 (広くて大きい……それに綺麗……いつもこの胸と腕に包まれていたんだ…) 恋の上に覆い被さり、横になったまま筑間が恋を抱き締める。筑間の熱くなった体温が、直接恋の肌に伝わってくる。胸板の硬さや腕の力強さに直接触れ、自分は女なのだと認識させられた。 キスをして、恋の体へ筑間の愛撫が再開される。鎖骨や胸元に唇を落とし、筑間の右手が恋の背中へ回る。次の瞬間、フッと胸を締めつける感覚がなくなり、ブラが浮いて筑間がブラを剥ぎ取った。
/185ページ

最初のコメントを投稿しよう!