流れた恋

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3話 -勇気- チャイムがなり、扉を開けると、そこには、 想像してたおじさんではなく、若い青年が立っていた。 「○○○○です。お世話なります。」 と尋ねてきた。 私は、会社名を聞いたが、 ガス屋さんかどうかわからなくて質問した。 「あ、えっと、、ガス屋さんですか?」 と不信そうに言った。 「はい。そうです、ガス屋です」 と少し青年は微笑んでいった。 私も微笑み返した。 「ごめんなさい、わかりませんでした」 「いえいえ、では作業始めますね」 と、優しい口調で言ってきた。 若い青年は家の中で、何か作業を始めた。 私は、部屋の隅で作業の邪魔にならないよう静かにスマホで暇つぶしをしていた。 とくにすることもなく、スマホゲームをしていた。 作業が終わったのか、青年がこちらの方に歩いてきて、話しかけてきた。 「一応、作業は終了しました。」 と、言ってきて、書類を渡してきた。 書き物があったため、私が名前などをサインしてた時に青年が話しかけてきたのだ。 「学生さんですか?」 と。私は21歳。一応大学生の枠に入るが、もう3年目の社会人だ。 「いえいえ、社会人ですよ〜」 と、返答した。 会話のキャッチボールがゆっくりと始まった。 私は、心の中でドキドキが止まらなかった。 男の人と話すのが久しぶりすぎて、 自分の鼓動がとても大きく聞こえるほど、 緊張が止まらなかったのだ。 「わたし21歳です」 と少し恥ずかしそうに私から話しかけた。 同じくらいの年代に見えた私は、 「おなじくらいですよね?」 と、言った。 「18です!」 青年は力づよく答えた。今でも覚えてる。 若いでしょと言わんばかりの言い方であった。 私は若さにびっくりしたのか、なんか、失礼なことを言ってしまったように感じて、 「若いね!!!!」 と咄嗟に言葉に出てしまった。 21歳の私からみたら、 18歳は、私の3個下でとても若くて、少し前まで高校生だったんだと不思議に感じた。 私も18歳から社会人だったけど、 私はどんな18歳だったのだろうと、 18の頃の自分と重なり思い返した。 (私は高校生気分が抜けてなかったなあ) と思いながら、青年との会話は続いた。 「○○(地元の名前)出身ですか?」 「いえ○○なんです、配属がこちらのほうになりまして」 私の高校は、 青年の暮らしていた地元の方だった。 私は地元の高校ではなく、小学校からしていたバレーボールをしたくて、県の中でも有名な伝統校に進学したのだ。 「私地元はこっちなのですが、高校は○○の方に電車で通ってたんですよ」 などと、 数分間、雑談をした。 好きなアーティストの話をしたりして、 とても楽しい時間に なっていたのを覚えている。 青年も次の仕事に行かないといけなくて、 作業も終わってたので、 「それでは失礼します」 と青年に言われました。 わたしは、ふとまた話したいなと思った。 もしかしたらもう会えないかもしれないとおもい、勇気を振り絞り、一言言った。 「また話したいです、、、」 「また会えたらいいですね」 と青年が言うだけだった。 多分、迷惑だっただろう。業者とお客さんの関係だったし、不審な女って思われてたと思う。 また、私は勇気を振り絞って言った。 「よかったら、インスタ交換しませんか?」 と。恋愛をしてなかった私がこんなことを言うとは、自分でも思っていなかった。 鼓動が早くなる。すっぴんだった為、マクスをしていた。 顔が赤くなってるのはマスクのおかげでバレずにすんだ。 (てか、すっぴんでくるんじゃなかったぁあ〜) 心の中で叫んだ。 青年は、 「いいですよ、少し待っててください」 と家を出た。 わたしは、何かわからなくて、とりあえず待っていた。 家のチャイムがなる。 "ピーンポーン" 青年が戻ってきた。 青年は車に自分のスマホを取りに行ってたみたいだ。 そして、インスタのIDをきき、インスタの交換をしたのだ。 青年は仕事に戻り、 私は、フォロー申請の承認の許可ボタンを押した。 私は、人生初めての、逆ナンパをした。
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