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「あ、京ちゃん。来週末に粗大ごみ出そうと思うの。京ちゃんも何か出したい物あったら下に降ろしておいて」
「ん〜、分かった」
パンを咥えながら返事をすると、母に見られ「まったく!」という顔をされた。
いつからか女性らしく振る舞う事を気にしなくなった。
母は、見た目も性格もタンポポのような可愛らしさと穏やかさで女性らしい。
私はというと、見た目も中身もクールだと言われる事が多く、話し方にも若干圧があるのか「怒ってる?」と聞かれる事も多々あった。
そんな私でも幼い頃は、可愛らしい夢を見ていた――。
私は食器を片付け、2階へと戻った。
自室の隣にある物置き部屋へと入る。
「何か捨てるのあったかな〜」
四畳半の室内には、古いタンスや棚があり、そこに昔の思い出の品が収められていた。
母は私の物となると捨てられないようで、小さな紙に描かれた絵ですら、大事に仕舞ってある。
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