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「瑞希くんのおすすめなら絶対に面白いと思うから、読ませてもらうね」
長居はせずに瑞希は帰っていった。
早速、瑞希のおすすめの本を開く。こんな機会でもなければ、読むことはなかったかもしれない。同世代の主人公達の活躍が楽しくて、夢中で読んでしまう。
母が来ても夢中で本を読んでいる私に驚いたほどだ。
「由奈、そんなに本好きだったっけ?」
「え?ううん。文字を見ただけで眠くなるもん。でも、この本すっごく面白いの」
「瑞希くん効果は絶大ね」
テストが受けられなくなり一週間の入院に最初は落ち込んでいた由奈だったが、瑞希の存在が気持ちを前向きにさせてくれる。
テスト中にはやり取りすることのない瑞希が持ってきてくれた交換ノートには、由奈を心配する温かいメッセージが書かれていた。
当初の予定通り一週間で退院できた。
色々な意味で、由奈にとっては貴重な体験となったのだった。
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