二日目

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 午後十一時。  十「投票以降に何か食べた人はいるか?」   「食べてない」  一「食べた」  九「俺も食ったけど、なんだ?」  十「いや、丁度いい。俺も食べてないから半々になって対照実験ができる」   「なるほど。食べ物に何か混入されてるのだとしたら、二人は眠くなるけど二人はならない」  十「そういうことだ」   「……」   どうせ無駄だろうな。   希望もそこそこに、俺は三番に言われた言葉を思い出していた。   不思議に思うことはある。その不思議が疑問に変わり、気になって仕方ないくらいに。   投票されても構わないという、リスクを背負っていないという身だからこそできる、冷静に一人一人をよく観察した結果生まれた不思議。   実感がないなどとは言い逃れできるはずもない。結果次第では死ぬかもしれないという恐怖にもっと乱してもいいはずだ。自分だけは助かるべく、他人を犠牲に吊るし上げてもいいはずだ。     なんでこんなにも冷静でいられるんだ?   それこそ原点は「鬼は誰か」という質問に対する答え。この際、ゲームに対する懐疑心は捨てる。   間違いなく鬼は俺なのに、何故自分が鬼だと主張する必要がある?   それに……疑問が多すぎる。  「……」   時計が十二時を過ぎる頃、すでに寝息だけが広がっていた。
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