一日目

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  残るは男五人に女四人。   その夜は各更衣室に男女で別れて寝ることになった。  十「何人かで固まって寝れば、もしかしたら、ルールの穴が突けるかもしれない」     十番のアイデアに全員が納得して決まった。   ルール四、深夜二時に「鬼」以外の誰かがランダムでゲームから除外されます   体に何か細工でもされていない限り人が勝手に死ぬことはない。つまり、ランダムに選ばれた誰かは誰かの手によって殺される。  十「その誰かを捕まえることができれば……」  六「ここまで大がかりなことをしてる相手をそう簡単に捕まえられるとは思えないよ」  十「分かってる。可能性は低いが、やれることはやるしかないんだ」   誰も反対も否定もしなかった。    「……」   俺には分かっていた。五番の時のように、どうせ何も出来はしない。   所詮俺たちにはできることなんてルールに従うことだけ。人が死ぬときなんていつもあっけないのだから……。  五『やった』   このゲームの意図はなんなんだ?  「鬼は誰か」という質問に全員が手を挙げた時もそうだったけど、本当に全員が同じ認識を元にルールに乗っ取ってゲームに参加しているのか?   徐々に溢れ出してくる違和感。それに、五番が最後に呟いた「やった」という言葉の意味。あれは一体?  九「もう寝たか?」  八「いや、まだ……」  十「寝るに寝られないな」   もう二度と目を覚まさないかもしれない。そんな恐怖があっては眠れもしないだろう。確実に今晩は死ぬことのないと分かってる俺でもなかなか眠れなかった。  九「今何時だ?」  十「十一時半に電気が消えたから、もうすぐ十二時なんじゃないか?」  八「そう、だね……」  九「……」  十「……」   いきなり誰も話さなくなった。   「ど、どうかしました……?もう寝ちゃった……んです……か?」   不審に思い声をかけてすぐに、そういうことかと理解した。   食べ物に薬でも混ざってたのか……?   急激な眠気が意識を支配していく。俺たちの目論見も虚しく、目を覚まさないようしっかり対応済みだったということだ。  「……」      くそ、だめだ……。   どうやったって抗えず、俺の意識は真っ暗な闇へと落ちていった。そしてまた一人、消えていくことに気づけないまま。
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