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時刻は22時。
郊外へ向かう電車内の乗客は、
僕を含めて数人だけだ。
ボックスシート席に1人で座る僕は、
緩やかな睡魔に襲われる。
高校に入って早々、進学校合格に
実績のある都心の塾に行かされ、
連日の勉強漬け。
土曜日の今夜も塾で、疲れ果て。
忙し過ぎて、アナニーもご無沙汰だった。
自宅の最寄駅まではあと1時間、
少しくらい眠っても大丈夫だろうと
沈みかける意識に身を委ねた。
しばらくして、不意の違和感。
明らかに誰かに太腿を触られている。
まさか。
こわごわ目を開けると、
大学生風の男が僕のカラダを弄っていた。
「やめてください……っ」
と意志を伝えたが、声は震え儚く消えた。
男は口元を綻ばせ、僕を見つめる。
清潔感のあるなかなかの好青年、
こんなイタズラをするような人には
思えないのだが‥‥
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