第二章 桜の丘

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そのまま路地に入ったりしているうちに私はあることに気がついた。 「・・・映画村ですか?」 「ああ?だから何だよえいがって。」 「・・・。」 もう何も言うまい。純和風の家が立ち並んでいるなんて。 眼の前をまだ走る男の体力は無限大らしい。永遠に走り続けそうだ。 「も、もう無理です・・。走れません・・。」 そう言うと、男は、 「もう着く。」 とだけ言うと曲がっていく。 慌てて私もついて行った。  すると、大きな門のある、門番のいる屋敷に入っていった。 何やら門番に私のことを紹介しているようだ。 屋敷は広かった。 が男は迷わずある部屋に入った。 「ちょっとここで待ってろ。」 そういうと出ていってしまう。 男が出ていったあと、私は考えていた。 路地から見える人々の服装は和服。 立ち並ぶ長屋。 電線なども一切なし。 刀は当たり前に使われていて、新選組がいた。 普通に考えたら・・・、タイムスリップとしか考えられない。 でも・・・、そんなことって・・・。 そうこうしているうちに障子が開く。 「ねえ、今って何年?」 思わず素で聞いてしまったがもういい。 「?文久三年だが?」 ・・・。どうやら仮説はあたってしまったみたいだ。 が、特に後悔もないため、まあ仕方ないと諦めてこの時代に適応して・・・・、いけるわけがない。 「・・・、大丈夫か?突然ですまなかったな。俺ア高杉晋作だ。よろしくな。」 「六花。」 眼の前のやつはかの有名な高杉晋作というらしい。
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