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パッと前を見ると、高杉が抜刀してこっちへ走ってくる。
それより先に殺気に体が反応してサッと避けた。
「クククッ。やっぱりてめえ。只者じゃねえな。」
カチャン、と刀を鞘に閉まった高杉は上機嫌にそういう。
「避けなかったらどうするつもりで?」
「フッ、僕がそんな簡単な考えで動いている理由がねえだろ。」
唖然とした。一発で見抜く彼の実力に。
「さっきもな、俺ァ気配を消して近づいた。なのにお前は俺のいるところに気がついただろう。並大抵のもんじゃねえ。」
「…小さい頃から気配が薄いって言われてた。その分人にぶつかることが多かったんだよね。だから人の気配を察そうと小さい頃からやってるうちに敏感になったのかも。」
「かもってなんだよ。・・・まあいいさ。」
そう言うと高杉は笑った。
「この屋敷のめんどくせえやつにでも会いに行くとしようじゃねえか。」
高杉はニヤリ、と笑った。嫌な予感がした。
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