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File 01:トイレのあの子
「学校の七不思議を確かめようと思うんだ」
唐突にそう言ったのは、
俺の同室者で、新聞部の部長である友人。
彼の名を千木良 千秋という。
彼とはさらに同じクラスで、
1日の殆どを共に過ごしている。
これで嫌な奴だったら最悪だが、
噂話が大好きという事以外、特に不満は無いので良しとしよう。
「そうか、いってらっしゃい」
漫画を読んでいた俺は、
彼に手を振り送り出そうとした。
だがしかし、千秋は目の前に座り込み、俺の持つ漫画を閉じさせた。
「一緒に行こうよ!」
期待に胸ふくらませている所為だろう、
キラキラと輝く瞳と血色の良さ気な頬。
そんな顔で頼み事をされたら、
密かに彼に恋をしている身としては、
了承するのは、やぶさかでない。
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