File03:過去を映す鏡

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いくら俺が望んでも、 鏡はあの空き教室にある訳で。 見当違いの場所にある物を千秋が探し出せる筈がない。 どうしようか悩む。 鏡の場所を教えるだけなら、大丈夫だろうか。 でも、大原は毎日恋人に会いに行っている。 限られた時間を邪魔するのは悪いな。 今日は、もうすぐ誰も居なくなる教室で葛藤していた。 やっぱり大原は今日も一番を争う様に教室を出て行った。 もう1人急いでいたのは千秋だ。 そんな日々が続く中、その日は教室に1人じゃなかった。 また大原が残っていて、俺に話しかけてきた。 周りに誰も居ないのを確かめて、あの日のように惚気てきやがる。 幸せそうで何よりです。 俺の葛藤も知らないで。

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