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「うぅっ、さっむ!!」
気温マイナス10度のなか、ブルルッと身体を震わす。
2月の北海道は寒いというより、痛い。
舞う粉雪と共に風が吹くたびに、冷え込んだ空気がまるで剣山のように身体のあちこちに突き刺さる。これじゃあ立っているだけで、凍傷になりそうだ。
「奈々子のやつ、すぐ戻るから!なんて言っておいて、もう15分以上経ってるじゃねーか。待ちぼうけもいいところだ」
今日発売の漫画の新刊、どうしてもすぐ手に入れたいの!
そう言われグイグイ引っ張られてやってきた大宮書店の駐車場では、ちょうど献血車が到着したところだった。車のなかから、看護師らしき人物がチラリとこちらへ視線を送っている。
献血なんてしませんよ。こちとら血を見るのは苦手なんでね。
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