冬の足跡

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「うぅっ、さっむ!!」 ブルブルと身体を震わすと、身体についた雫と共に毛が舞った。最近、やたらと抜け毛が多い。 「ごめんごめん!お待たせ―!」 「ワンっ!」 遅い!まったく。 「わっ、いつの間にか雪降ってる!濡れちゃったね、ペロ」 俺の身体を撫で、柱に繋いでいたリードを取った奈々子は、優し気に目を細めた。 「……最近、毛がボソボソになってきちゃったね。ペロももう、おじいちゃんだもんなぁ」 「ワンワンっ!」 おじいちゃんとは失礼な!……でも、奈々子も気づいていたんだな。
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