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「人を好きになるのに容姿はおおいに関係あるだろう。顔のつくりがどうこうではなく、自分にとって受け入れられるかどうかという意味で、な。割合としては――そうだな、私の体感だと八十パーセントはこえるか。ただ、私は、生理的嫌悪をおよぼす人間に愛をおぼえる人間を見てみたい」  そこでレムリアが考えたのが、橘高くるると浪本野利彦という組み合わせだ。くるるが愛でも金でもなく友情を選んだといういまだかつてない結末には、レムリアも満足している。 「棚原前沙。実におもしろい参加者だった。ローラシアが彼女に肩を持った気持ちもわかるよ」  ローラシアは私情をはさんだということで、雑務担当に回されていた。ひと言で言えば左遷である。 「棚原前沙か。あそこで継田慶迅に『うっさいんじゃ、ボケ』と言って平手打ちをするとは――くっ、くっ、くっ」  レムリアはひとり笑っていた。局員たちはレムリアが「うっさいんじゃ、ボケ」というセリフを口にした時、その不似合いさから笑いそうになるのをこらえる。
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