???

3/10
前へ
/225ページ
次へ
「次回のゲーム、喫煙者は除外しますか?」  ウルがレムリアにたずねた。巽豆隆のようなリタイアする参加者がまたいては困ると。 「願わくは、愛のために嗜好を我慢する参加者が現れてほしいものだが」  レムリアは喫煙者であることがわかっていて、あえて巽豆隆を選んでいた。 「あれって、本当に煙草が吸いたくなったのではなく、徳宿瑞麻と一緒にいたくなくて、建前でそう言ったのだと思っていました」  ヌーナが言った。今ではその真相はわからない。 「有名人とそのファンという組み合わせもおもしろいと思います。役者やアイドル歌手あたりの。ただ、一週間の休暇がとれる有名人を探すのがむずかしいところですが」  パンゲアという局員が意見した。この中だと最年少だ。 「でも、芸能人は基本的に本名で芸能活動しますよね。芸名で活動していたとしても、本名がファンのあいだで知られていたり、インターネットで調べればすぐに出てきたり」  キンメリアという局員があいだに入った。 「罰金の額を増やすとか、違うルールをもうけるとか」  パンゲアが提案する。 「罰金の額を増やしても、それほど意味がないと思います。たとえ罰金が一億円に増えようとも、その参加者は好きな芸能人に会いに行きますよ。ファンとはそういうものです」  ヌーナが言う。話はうまくまとまらないまま、時間だけが過ぎていく。 「次回のゲームは夏に開催しよう」  レムリアが立ち上がって言った。局員はさっそく人探しに取りかかる。この夏も、レムリア・ゲームによって運命を変えられる男女がいることだろう。
/225ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加