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人物解析🦁ネロ
主人公のアヴリル(ネロ)については語り尽くせません。
彼女は心は男性ではなく女性なのですが、過去の経験から女性として生きること、男性から女性として見られることに対して一種の違和感や反発をおぼえています。そしてある日オーロラにあげるCDを買うために男の子の格好でスラムに行くのですが、このときから男の子の振りをすることを楽しい、自由で気楽だと感じるようになります。
ネロは『ロマンドール』ウミのようなクールなタイプでもない、かといって『草花の祈り』のロマンのようなソフトなイケメンとも、オーシャンのような俺っ子とも、『烏と楓の木』の危険人物ルゥ先輩とも違います。
ネロはキャラがアヴリルとも少し違いますが、根本にあるのがアヴリルの人格です。お調子者だったり悪戯っ子だったり、正に少年のような天真爛漫さがあります。情に厚く友達想いで、努力家な面も。
一方で私生活は結構適当だったりします。部屋を散らかしたり夜に鼻歌を歌ってミラーに怒られたり。笑
この同室のミラーともまたいいコンビでしたね。
結局アヴリルは元の自分でいることが1番自然で楽だと気づくわけですが、ネロというキャラを演じたことで性別に拘らず自由に生きる勇気や強さをもらったともいえるかもしれません。
特にイケメンキャラでも王子風でもない普遍的な女の子がネロという男の子に変身することで、こんなに面白いことになるのか! という発見、学びがありました。
このような意味でも何かを演じるというテーマにおいて、アヴリルの持つ普遍性は大きな武器になったんじゃないかなと思っています。
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