人物解析🐍ピアジェ

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人物解析🐍ピアジェ

 ディアナと並んで今作品最大のヒールといえるピアジェ。人心掌握に優れ、蛇のような狡猾さと執念深さを持つ男です。金のこと、外聞のことしか頭にないまさにパワハラの権化。動物虐待や、団員への暴言暴力は当たり前、ネロもケニーもこの男のせいで相当精神的に苦しい思いをします。  嫉妬深く、ミハイルなど自分の邪魔になるような人間や才能のある人間を潰そうとする。自分の妻に壮絶なDVをして監禁し精神を壊してしまう。卑劣極まりない悪党の中の悪党です。  しかし彼は一方で、ネロとケニーにはやめて欲しくなかった。ケニーが退職届を突きつけたとき怒り狂います。何故ならケニーは有能なうえ自分に逆らわないで言われた職務を遂行するため、利用しやすかったんですね。そしてネロに関しては演じたクラウンの詩というキャラクターが爆発的人気を博し、サーカス団に膨大な利益をもたらしました。つまり、客寄せパンダとして利用できると踏んでいたわけです。自分の利益になる人間は何としても手元に置いておきたいピアジェとしては、2人の損失は大きかったことでしょう。  今回ピアジェという悪役を描いたことで、かえってホクの純粋さやケニーの誠実で優しい人柄、ジュリエッタの明るく愛情深い部分、ルーファスの理性的で知的な人格者たる側面など、他のキャラクターの魅力が引き立った気がします。と言ってもピアジェは絶対悪に変わりはないですし、この男に収益のために精神を蝕まれる前に逃げたネロとケニーはとても賢明だったといえます。
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