エピソード20 帝都の吸血鬼 その1

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「無茶言うな。 俺は防具を作製したら、次は帝都だ。 ダメだよ。」 「入団テストだけでも受けてくれないか? そうしたら、マスターの奴が倉庫のものを何でもくれるって言うんだよ。」 「何だよ。 親父さんも希少素材を狙っていたのかよ。」 「まあ、こっちは防具を急いで造る必要があるからな。 いいよ、受けてやるよ。 ただし、傭兵の仕事はすぐにできないと言っておいてくれよ。」 俺は、親父さんに案内され傭兵ギルドにやって来た。 場所は大聖樹のある広場の東側だ。 このエリアは、あまり足を運んだ事が無い。 観るものが全て新鮮で良い。 ここもホワイツビルなんだと改めて思った。 辺りをキョロキョロ見ていたら、古く大きな建物の前で親父さんは止まった。 「ここだよ、ブロイ。 試験は簡単だ。 傭兵ギルドの奴を3人と勝負するだけでいい。 簡単だろ。」 「あっさり言ってくれるじゃねぇか。 戦うのは俺だぞ。 何も簡単なもんか。」 「まあまあ、さぁ入ろ入ろ。」 親父さんは俺の背を押すとギルドの中に連れて行った。 「マスター、居るかい? 入団希望者を連れて来たよ。」 「おう、鍛冶屋の親父! 入団希望者だって?」
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