18人が本棚に入れています
本棚に追加
ジダンは、さらに3連撃、4連撃と仕掛けてくる。 太刀筋は早い。 重い防具を着けている割に身のこなしは軽く、スピードもある。 だが、盾攻撃の後の隙を狙えばと思ったが、盾攻撃のなぎ払いと同じ軌道を腕でラリアットのような動きで頭を狙ってくる。 このジダンという男、動きに隙があるようで無いようだ。
かなり戦い慣れしているな・・・。
ジダンは、先ほどの連撃から再び単発の振り下ろし攻撃を仕掛けてきた。 俺は避けず、受け流してジダンの右腕を狙って斬り上げた。 模擬戦用のロングソードとはいえ、当たり方が悪ければ、骨折しかねない角度の斬り上げを腕に仕掛ける事でジダンがどう反応するか見てみた。 今度は盾を使わず、まともに右の肘辺りに斬り上げが命中した。 ジダンの右腕は動かせずにいた。 そこでマスターからストップがかかり、試合は終了した。 引き続き2戦目は、ジダン隊副長アルシッドが出てきた。 アルシッドは大剣を使用するようで、大剣を肩に担ぎ、ゆっくりと前に出てきた。
さすがにこいつはパワータイプでしょ・・・。
これで太刀筋や斬り返しが素早かったら化物だろ・・・。
俺は、ロングソードから戟に持ち替えた。 アルシッドに合わせ両手武器にした。 両者は構えた状態から試合の開始合図があった。 太刀筋は大剣であるため早く無い。 が、重い大剣で受け流しをやってのけた。 これは俺の思い込みと完全な油断だった。 アルシッドがもう一歩踏み込んで反撃していたら、俺の両腕が折られているところだった。
なるほどアルシッドも化物の類いか・・・。
ならば、俺は戟で6連撃を繰り出した。 アルシッドは、大剣で1、2連撃を受け流しを試みたようだが、3連撃目から防御のみに徹し、6連撃後の隙を狙っているようだった。 俺が6連撃を放ったと同時にアルシッドも受け流しからの一撃を放ってきた。 しかし、俺は体制を少し崩しながらもさらに4連撃を繰り出した。 アルシッドは、一瞬戸惑いの色を見せはしたが、俺の連撃に合わせるように大剣の4連撃を出してきた。 やがて、両者の4連撃が合図かのように打ち合いが始まった。 両者の打ち合いは徐々に攻撃速度を増し、激しくなっていき、両者とも一歩も退けぬ打ち合いに発展した。 マスターは、危険を感じ取り試合中止を宣言したが、両者の耳には届かなかった。 ギルド中に両者の激しい打ち合いの音が響き渡った。 互いに少しのミスが命取りのギリギリの戦いになり、ジダンがアルシッドを止めなければ、どちらかが大怪我を負っていたに違いないだろう。
「おいおい、2戦目も引き分けだぞ。 大丈夫なのか、ブロイは。」
親父さんの心配をよそに試合は3戦目になった。
最初のコメントを投稿しよう!