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今度は、俺の方から仕掛けた。 左ジャブでアクロスの左肩を狙い、アクロスの左腕を壊した。アクロスは、ステゴロによほどの自信があるのだろう、右腕一本で連打を繰り出し、俺を翻弄しようとする。
「アクロス、スキルを使え!」
ジダンがアクロスに声を掛ける。 しかし、アクロスはスキルらしいものを使った気配は無い。 がむしゃらに右腕だけの連打を繰り返す力押し。
何かあるな・・・。
俺はアクロスの連打を避け、動かせるようになった左腕を使い、ノーガードからのジャブを繰り出し、アクロスの顔は、次第に腫れ上がり始めた。
「ジダン、アクロスの奴は諦めたのか?」
マスターは苛立ちを隠しもせず、ジダンを責めた。
「マスター、もうブロイの勝ちで良いでしょ、ね。」
「鍛冶屋! うるさいぞ!」
「早く負けを認めて、希少鉱石を出して下さいよ、ね。」
鍛冶屋の親父はニコニコ顔で、マスターに勝敗のジャッジを迫っていた。
「ジダン、どうしてアクロスはスキルを使わんのだ!」
マスターは、隣に居たジダンの胸ぐらを掴み、アクロスの様子を聞いた。
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