『謎の地下ダンジョンに、邪悪な魔物を見た!』

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『謎の地下ダンジョンに、邪悪な魔物を見た!』

 暗闇の中、懐中電灯の灯りを頼りに慎重に進む。  地下ダンジョンは、天井の低さと湿気が気になりはするが、意外と広い空間が確保されていた。平坦な石畳と壁は、明らかに人の手によって作られたものである。これは否が応でも、我々が目指す目的地の存在を期待させるに十分であった。  だが、そのとき! 行く筋の通路が入り組み分かれ道となった迷路のどこからか、不気味な叫び声が木霊(こだま)したではないか! この通路の先に何者かが居る! 何か得体の知れぬ生き物が、我々を待ちうけているのは確実である。 「静かに!」  隊長が耳を澄まし通路の状況を伺っている。それを皆、固唾(かたず)を飲んで見守る。我々が目的を果たす為には、無用な争いは避けねばならない。 「よし! こっちだ!」  隊長の鋭い判断力と野生の勘に全てを賭け、取材班は通路の暗闇に歩みを進めた。すると、狭い通路から急に広いホールのような場所へと出たでないか。 「おぉぉ!」  緊張と恐怖から突然開放され、隊員たちから安堵の声が漏れた。その時である!
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