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隊員たちが唖然とするなか、何者かたちによって魔物は瞬く間に沈黙させられていった。そしていま、瀕死の呻きと断末魔の声なき声が足元から発せられているっ。
「俺達を怨むなよ。お前たちが弱かっただけだ、これがお前の運命ということだ、悪く思うな」
虫の息ながらも抗おうとする魔物たちに、冷酷な視線を向けトドメを刺してゆく中年男性は、モンクのマーク二世と名乗った。戦士の青年ジム・魔法使いの少女セリカの三人は、伝説の埋蔵金を求め探索するパーティであった。彼らもまた、伝説を追い求めこの地下ダンジョンへと降り立っていたのである。
埋蔵金とは、遥か昔に存在したという、古の古代国家シンの王が没した時、その墓に王の亡骸とともに埋葬されたと伝えられている。この地下ダンジョンは、その霊廟マウソレウムの地下墓室として作られたものであるという。たしかにそう理解すると、人工物である理由は説明できる。
しかし、埋蔵金探索パーティは、明らかに我々グルメスペシャル取材班とは異質であった。探索以外に共通点はなく、そもそも、この異なる文化体系を持つ集団同士が邂逅できた理由は、依然、謎であった。
彼らの情報が真実であったとして、我々の歴史には存在しない古代都市と、科学の常識を否定する彼らの文明を説明することは困難なのである。
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