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(あり得ない話ではないけれど……)
「何よ、ふん!」
虚を突かれたからか、今度は苛立ちが増してきて、トングでコロッケをお皿に盛りフォークで切り分けて口へ運ぶ。
「あら、このコロッケ、普通のコロッケと違うわね、何かしら」
白い濃厚なホワイトソース。まろやかな味にブラウンソースがとても合う。パン粉がきめ細かくキツネ色。私でもまだ食べたことがなかった。むね子嬢が泣きそうになって私に近づいてきた。
「ねぇ、これ、美味しいわね、何?」
「クリームコロッケよ」
「へぇ! 美味しいわ、これ。流石、侯爵様となると色々違うのね」
身分の階級によって食生活は違うと関心しつつ、二口目を頬張った時、むね子嬢ははぁぁぁとため息をついた。
「どうなさったのよ」
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