悪役令嬢には一物がある

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説明回? 『そうじゃ、お主の記憶を読み取った結果、わかりやすく伝える為にそういった』 たしかに説明回ほしいですね 『ふむ、素直でよろしい』 そう言うと邪神さんは どこから取り出したのか ホワイトボードの様なブラックのボードを取り出し そこに赤いチョークな様な物で 人を呪わば穴二つと書いた そしてブラックボードを手で叩き 『では説明しよう!人を呪わば穴二つと言うのは聞いた事があるの?』と言った 聞いた事がある この作品の冒頭にも出てくるメッセージ 有名な話だ 人を呪い不幸にしようと思えば自分も不幸になる、よって死んで墓場に入るのは相手と自分てことだ… 要するに術には対価が必要なのだ  『その通りじゃな』 『そして、お主…正確にはわしの身体の元の持ち主である男爵令嬢は』 『辺境伯家の令嬢アクト=レイを呪った… その結果アクト=レイの魂はわしが喰らい 、不幸にしたアクト=レイの身体には男爵令嬢のカノ=ジュゴンの魂が入るはずであった』 あった? 『そう、そこでカノはアクトを亡き者にする対価として、悪役令嬢に成り代わり不幸になり何度も死を経験するという対価を支払うはずであった…しかし、それが手違いで年収400万、独身の49才の中年ゲームオタクの魂が入り込んでしまったのじゃ』 言い方よ!事実だけど でも、主人公、カノちゃんの魂は? 『それは49才の少しメタボ気味な素人童貞のオッサンの身体に入ってしもたようじゃな』 少し沈痛そうな表情で邪神さんは答えた 素人童貞…それ暴露せんでも良くない? フッ…しかし! そもそも俺は自分の事は好きなタイプだ なにも問題ないはず…我が家にはカードやゲーム機が大量にあるので、むしろ彼女は幸福だと言えるだろう…少なくとも俺は幸福だった! 『そ、そうか…まあ、そうかも知れん…それで?お主はどうしたい?』 どうしたいとは? 『ふむ手違いとは言え、今のままでは死にゲーと言うやつをリアルに体感し続けてもらうことになるのだが』 そうか、やはりそういうルートなのか 『とは言え、17才の美少年?男の娘に転生出来たのじゃからラッキーといえばラッキー?このままで良いかの?』 ふむ、49才の独身男性より17才の美少年 だが断る!俺を元に戻して下さいっ 『なんと!?まあ、でも戻せんのじゃけど』 ってズコーッ 何で?何でどうする?って聞いたの? 『まあ、落ち着け…さっきも言ったであろう?ただで元に戻す事は出来ん対価が必要じゃ』 対価?一体なにを? まさか、俺の全財産カードやらゲーム機を差し出せとかじゃ 『それはいらん』 ちょっと嫌そうな顔で言う邪神さん ふぅ良かったよ…それが無ければ元の世界に戻っても意味がないからな特にカードは再入手が困難なカードもある 『そこで、お主にはこの世界で成り上がってもらう』 成り上がる?一体なにに? 現状でも辺境伯家の御令嬢なのだぞ? ただし、破滅する悪役令嬢?だけど… 『最高でも王、最低でも王妃になれ』
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