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知らない天井だ
いつものアパートの白い天井ではなく
ベルベットブルー?
鮮やかな紫色に白い光沢が走り、まるで宇宙に天の川が流れるかの様な見事な色合い
一目で、とんでもなく高級な事がわかる
辺りを見回す
どうやら俺が寝ていたのは天蓋付きのベッドだった
先ほどまで見ていたベッドの天蓋ではなく
本物の天井には豪華なシャンデリア
他にも、今は使われていないが
暖炉の様な物や作りの良い愛らしさと気品を兼ね備えた椅子、全ての家具に鮮やかな紫色がワンポイントのアクセントとして採用されている。
「ってなんじゃこりゃぁぁぁ!」
と、思わす叫んでしまった
「お嬢様!大丈夫ですか!?失礼します!」
ガチャリ
「アァァァァ」
扉を開けて入ってきたメイドの顔を見て更に叫ぶ
驚くほどに叫んだ原因の1つが
こてんと首を傾げてジト目でこちらを見る
紫を彩ったメイド服を着た
肩まで切り揃えた白銀の髪をした美少女
「ジョルアたん!」
そう、俺がハマっていたカードゲーム
スマッシュシスターハルツのお気に入りのカード
それが正に氷雪のメイドジョルア!その人だ!
スマッシュシスターハルツ略してスマハル
それは人気漫画雑誌、月刊スマッシュの主にヒロインをカード化して戦わせる、そこそこ人気のあるカードゲーム
氷雪のメイドジョルアの出てくる作品は、ネット小説が元になった漫画
【転生したら貧乏呪術師令嬢でしたが呪術より柔術が得意です】
に出てくる悪役令嬢の館で働く、敏腕メイドだ。
このメイドには実は秘密が…って
そんな事よりもジョルアたんが俺に向かって
「たん?それと、どうしたんです…お嬢様?カエルが踏まれた様な大声を出すなんて」
誰がカエルだよ!
と突っ込みたい気持ちを抑えて、もしやと思い
自分の身体を確認する
布団を少し捲って覗き込むと
いつものTシャツとトランクス一丁ではなく
紫のネグリジェを着ていた…
もしかしてこれって?テンプレの異世界転生?
悪役令嬢になってる?
しかし、いつもと同じ物が
朝になると元気になる一物が
ネグリジェの中で天蓋になってるやんですわー!
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