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純粋無垢
ごめんなさい、こうしていると本当に安心できるみたいとても眠いの
僕の腕枕の中で裸の彼女はそう言った。
「でもこっちも欲しい」
そう言って今にも眠りに堕ちそうな彼女は僕の固くなったものをゆっくりと愛おしげに握りさすった。
「今夜は安心してゆっくり眠りなよ」
僕は彼女にそっと口づけをした。消え入るような声でごめんなさいと言い終わらぬうちに彼女は静かな寝息を立て始めた。旦那さんに先立たれれてからひとりの夜が不安で怖いのだといつも漏らしていた彼女。冗談半分で、泊まりに行ってあげようかと言ったのだが彼女はまるで少女のようなきらきらとした瞳の笑顔で僕に抱きつき
「嬉しい本気にしていいの」
彼女は70歳
僕はもうじき60
老いらくの恋
この期に及んで恋をするとはよもや思いもかけなかった
眠る彼女はやはり穢れなき少女のようであった
たまたま温浴施設で頻繁に顔を合わせただけのふたり
僕たちはそれまで互いの名前すら知らなかった
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