お金が増えるたび

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 お金が増えるたび、私は震える。  だって今いくら入ってると思う?  一万円札十枚!  と、小銭が少々。  もう、そんな大金抱えてると思うだけで、いつか落としやしないかと、ガクガクブルブルと震える日々。  心配性な彼はたくさん持ってないと心配みたいだけど、私はたくさんお金を抱えてるという心労が絶えない。  だってこれ、見えちゃってるのよね。  ウィーンと音がする。これはコンビニかしら。今日はビールでも買うつもり? 「んーと、ビール、チーズ、それから……」  ふむふむ。そんなに買うなら千円少し超えるくらいかしら。ちょっと待って、今って千円札がないから……。 「1,483円です」 「はーい、っと、やっば、千円札ないや……」  そうして抜かれる一万円。  やった、減ったわ、なんて喜べない。 「8,517円のお返しです」 「はい」  そうして入る五千円札一枚と、千円札が三枚と小銭が九枚。  まったく、お金の価値が下がるのはいいとして、枚数が増えるのは難点。そんなに抱えきれないもの。まあ今日の買い物はこれで終わりよね、これ以上増えることも……。 「……あ、やっぱ五千円両替してもらおっかな」  もうやめてー!!!
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